長期減毛色素性疾患用レーザー装置とは?

医療脱毛やシミ治療を検討されている方の中には、クリニックのホームページで「長期減毛色素性疾患用レーザー装置」という言葉を目にされた方も多いのではないでしょうか。

この装置は、厚生労働省が正式に承認した医療機器であり、医療脱毛とシミ治療の両方に対応できる専門的なレーザー機器です。

本記事では、この装置の仕組みや代表的な機種、どのような肌質や毛質に適しているのか、そして実際の治療回数や間隔について詳しく解説します。

医療脱毛とエステ脱毛の違いや、安全性の高い治療を受けるための知識を得ることができますので、ぜひ最後までお読みください。

長期減毛色素性疾患用レーザー装置は医療機関専用の厚労省承認機器です

長期減毛色素性疾患用レーザー装置は医療機関専用の厚労省承認機器です

長期減毛色素性疾患用レーザー装置とは、厚生労働省が医療機器として正式に承認した、医療脱毛とシミ治療を目的とするレーザー機器のカテゴリー名です。

この装置は医療機関でのみ使用が許可されており、エステサロンでは使用することができません。

代表的な機種には、GentleLase Pro(ジェントルレーズプロ)、GentleMax Pro(ジェントルマックスプロ)、GentleMax Pro Plus(ジェントルマックスプロプラス)などがあり、それぞれ承認番号が付与されています。

これらの装置は、毛根のメラニンにレーザーを選択的に吸収させることで熱ダメージを与え、長期間毛が生えにくい状態を作り出すとされています。

同時に、シミやそばかすなどの表在性の良性色素性疾患に対しても、メラニンをターゲットに照射することで色調を改善する効果が期待できます。

なぜ「長期減毛」という表現が使われるのか

なぜ「長期減毛」という表現が使われるのか

医療機器としての正式な表現

医療脱毛を検討される方の多くが「永久脱毛」という言葉を期待されますが、日本の薬事法では医療機器として「永久脱毛」という表現は慎重に扱われています。

そのため、厚生労働省が承認した医療機器としては「長期減毛(Long-term hair reduction)」という表現が正式に使用されています。

これは、レーザー照射によって毛根組織にダメージを与え、長期間にわたって毛が生えにくい状態を維持するという意味です。

毛周期との関係

レーザー脱毛の効果を理解するためには、毛周期について知る必要があります。

毛には成長期、退行期、休止期という3つの周期があり、レーザーが効果的に作用するのは成長期の毛のみとされています。

成長期の毛は全体の約20%程度と言われており、1回の照射では成長期にある毛にしか効果が得られないため、複数回の照射が必要になります。

多くのクリニックでは、5回から8回程度の施術を行うことで「ほとんど生えてこない状態」を目指すプランを提供しています。

エステ脱毛との明確な違い

エステサロンで行われる光脱毛と医療脱毛の最も大きな違いは、使用できる機器の出力にあります。

医療機関で使用される長期減毛色素性疾患用レーザー装置は、厚生労働省の承認を受けた高出力のレーザーを照射できるため、毛根により強力なダメージを与えることが可能です。

これにより、エステ脱毛よりも少ない回数で効果を実感できる可能性が高いとされています。

代表的な機種とそれぞれの特徴

GentleLase Pro(ジェントルレーズプロ)

GentleLase Proは、アレキサンドライトレーザー(755nm)を搭載した単一波長のレーザー装置です。

承認番号は22800BZX00446000として厚生労働省に登録されており、「長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro」として正式に承認されています。

この機種は色白から普通肌の患者さんに適しており、メラニンへの吸収が高いため、しっかりとした黒い毛に対して高い脱毛効果が期待できます。

また、表在性のシミやそばかす、色素斑の治療にも使用されています。

GentleMax Pro(ジェントルマックスプロ)

GentleMax Proは、アレキサンドライトレーザー(755nm)とNd:YAGレーザー(1,064nm)の2波長を搭載した装置です。

承認番号は23000BZX00128000として登録されており、2018年に日本で初めて「長期減毛用レーザー装置」として薬事承認を取得しました。

その後、2020年6月には「表在性の良性色素性疾患の治療」でも承認を取得し、1台で脱毛とシミ治療の両方に対応できるマルチデバイスとなりました。

肌色や毛質に応じて2つの波長を使い分けることができるため、幅広い患者さんに対応できる点が大きな特徴です。

さらに最新の情報では、血管病変ハンドピースが2025年10月に薬事承認を受けたとされており、赤ら顔や血管腫などの治療にも適応が拡大される可能性があります。

GentleMax Pro Plus(ジェントルマックスプロプラス)

GentleMax Pro Plusは、GentleMax Proの後継モデルとして開発された装置です。

承認番号は30200BZX00304000として登録されており、「脱毛(長期減毛)・色素性疾患用」で国内薬事承認を取得しています。

この機種の最大の特徴は、より大きなスポットサイズとハイスピード照射を実現している点です。

これにより施術時間の短縮が可能となり、全身脱毛などの大面積への対応力が大幅に強化されました。

755nmと1,064nmの2波長搭載という基本性能はそのままに、出力や効率が向上しているとされています。

アレキサンドライトとYAGレーザーの違い

アレキサンドライトレーザー(755nm)の特徴

アレキサンドライトレーザーは、メラニンへの吸収率が高い波長です。

そのため、黒い毛に対して非常に強く反応し、色白から普通肌の方でしっかりとした毛質の方に高い脱毛効果が期待できます。

表在性のシミ、そばかす、色素斑などの治療にも使用され、皮膚表面に近い色素性疾患に対して効果的とされています。

ただし、メラニンへの反応が強いため、日焼けした肌や色黒の肌には使用が難しい場合があります。

Nd:YAGレーザー(1,064nm)の特徴

Nd:YAGレーザーは、皮膚の深部まで届く波長を持っており、メラニンへの反応は比較的マイルドです。

この特性により、色黒肌や日焼け肌の方でも安全性を確保しながら脱毛治療を受けられる可能性が高いとされています。

また、深い部分の血管病変などにも応用されることがあり、赤ら顔や血管腫などの治療への活用も進んでいます。

2波長を使い分けるメリット

GentleMax ProやGentleMax Pro Plusのように2波長を搭載した装置では、患者さんの肌色、毛質、治療部位に応じて最適な波長を選択することができます。

例えば、色白で太い毛が生えている部位にはアレキサンドライトレーザーを使用し、色素沈着がある部位や産毛が多い部位にはYAGレーザーを使用するといった使い分けが可能です。

これにより、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療が実現できるとされています。

治療の間隔と必要回数の目安

部位別の推奨照射間隔

長期減毛色素性疾患用レーザー装置による治療は、毛周期に合わせて複数回行う必要があります。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料やクリニックの治療プロトコルによると、以下のような間隔が推奨されているとされています。

  • 顔:4週間から6週間に1回
  • 体幹(胸や腹部、背中など):6週間から8週間に1回
  • 脚:10週間から12週間に1回

これらの間隔は、成長期の毛が増えてくるタイミングに合わせて設定されています。

完了までの回数

多くのクリニックでは、5回から8回程度の施術を1つの完了目安として案内しています。

ただし、毛の濃さや太さ、部位によって必要な回数は個人差があります。

特にVIOや男性のヒゲなど、毛が太く密集している部位では、8回以上の施術が必要になる場合もあるとされています。

なぜ複数回必要なのか

1回の照射で効果が得られるのは、その時点で成長期にある毛のみです。

成長期の毛は全体の約20%程度とされているため、残りの80%の毛に対しては、それらが成長期に入るタイミングで改めて照射する必要があります。

このサイクルを繰り返すことで、徐々に全体の毛量が減少し、最終的には「ほとんど生えてこない状態」を目指すことができます。

主な適応症状と治療範囲

長期減毛(医療脱毛)の適応部位

長期減毛色素性疾患用レーザー装置は、体のほぼ全身に対して使用することができます。

  • ワキ
  • 腕(上腕、前腕、手の甲、指)
  • 脚(太もも、ひざ、ひざ下、足の甲、指)
  • VIO(ビキニライン、Iライン、Oライン)
  • 顔(ヒゲ、産毛、眉間、もみあげなど)
  • 背中
  • 胸・腹部

近年では、男性のヒゲ脱毛や全身脱毛も一般的になってきており、幅広いニーズに対応しています。

色素性疾患の治療範囲

長期減毛色素性疾患用レーザー装置は、脱毛だけでなくシミ治療にも使用されます。

主な適応とされているのは「表在性の良性色素性疾患」であり、以下のような症状が含まれます。

  • そばかす(雀卵斑)
  • 老人性色素斑(いわゆる「シミ」)
  • 日光性黒子
  • カフェオレ斑

これらの色素性疾患に対しては、メラニンをターゲットにレーザーを照射することで、色素を破壊し徐々に薄くしていく効果が期待できます。

血管病変への適応拡大

最新の情報によると、GentleMax Proには血管病変ハンドピースが追加され、2025年10月に薬事承認を受けたとされています。

これにより、今後は以下のような症状への適応も期待されています。

  • 赤ら顔(毛細血管拡張症)
  • 血管腫
  • 赤あざ

このように、1台で「脱毛+シミ+血管」という3つの治療領域をカバーできるマルチデバイスとしての位置づけが強まっています。

まとめ:安全性の高い医療機器による治療を

長期減毛色素性疾患用レーザー装置は、厚生労働省が正式に承認した医療機器であり、医療機関でのみ使用が許可されている専門的な装置です。

代表的な機種であるGentleLase Pro、GentleMax Pro、GentleMax Pro Plusは、それぞれ承認番号を持ち、長期減毛(医療脱毛)と色素性疾患治療の両方に対応しています。

アレキサンドライトレーザー(755nm)とNd:YAGレーザー(1,064nm)という2つの波長を使い分けることで、幅広い肌質や毛質に対応できる点が大きな特徴です。

治療には5回から8回程度の複数回の照射が必要とされており、毛周期に合わせた適切な間隔を守ることが重要です。

医療脱毛やシミ治療を検討される際には、このような厚生労働省承認の医療機器を使用しているかどうかを確認することが、安全で効果的な治療を受けるための第一歩となります。

医療脱毛やシミ治療は、一人ひとりの肌質や毛質、ご希望によって最適な治療方法が異なります。

まずは信頼できる医療機関でカウンセリングを受け、専門医に相談されることをお勧めします。

厚生労働省承認の長期減毛色素性疾患用レーザー装置を使用している医療機関であれば、安全性の高い治療を受けられる可能性が高いでしょう。

ぜひこの記事を参考に、ご自身に合った治療方法を見つけていただければと思います。